第13回 マルチメディア学習
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1. eラーニングについて
企業研修
非制度的な学習
eラーニング
一般的な道具
教科書、資料、ノート、筆記用具など
電子機器
AV機器、PC,電子黒板、タブレット端末
インターネット環境
教授学習に関するさまざまなことを管理するシステム
最近ではWebを使うものが標準的
教育評価においてはデータが必要
学習活動に関する記録、作品やレポート、テストの結果など
LMSの利用
フルオンライン授業が可能に
対面授業を実施する際にも、ブレンドしたりハイブリッドしたりしている
eラーニングの分類
https://gyazo.com/f091d79b4a91a7717932a4dfd6702442
基準
対面授業: 時間と場所の共有
4つに分類
同期・自学自習
ライブストリーミングビデオ等での学習
非同期・自学自習
同期・集合学習
非同期・集合学習
その際に「知識伝授型か知識構築型か」という分類について議論された
学習者が、他の学習者や教授者との協調を通して、自ら知識やスキルを獲得あるいは深化させていくということを重視した授業
従来の教授者が学習者に一方的に講義をする
教授者→学習者への伝達が主な目的
利点
学習場所の柔軟性
学習時間の柔軟性
初期投資は高い
受講生が多いほどスケールメリットがある
学習履歴
自分のペースで進められる学習
復習
時間や場所に制限されない多数の学習者の同時アクセス
保守・管理・更新の容易さ
学習者中心主義の学習
欠点
学習者の自律性の要求
コスト
受講生が少ないと対面よりもコストがかさむ可能性がある
技術的要因
が授業の質に影響する
学習者のICTリテラシー
2. マルチメディア学習について
e-ラーニング以前からさまざまなメディアを使用して言葉と絵による教材が用いられてきた 言葉と絵以外のさまざまなメディアを使用した教材が使われるようになるだろう
基本的な仮説は「言葉と絵を合わせて学習した方が、単に言葉だけで学習するよりも効果的である」
Mayer(2009)によるとマルチメディアという用語は以下の3つの意味を持つ マルチメディア情報を配信するための物理的な装置
e.g. スクリーン、プロジェクター
マルチメディア情報を表示するためのモード
e.g. 文書かナレーションか、静止画か動画か
マルチメディア情報を人間が処理する際にどの感覚モダリティを使うか
e.g. 音声は聴覚的に、スライドは視覚的に処理される
(1)の見方は技術至上主義なので採用しない
(2)と(3)を採用する
(3)は学習者重視
学習の結果を学習者の行動(テスト結果)の変化から推測している
Mayer(2009)は学習を個人的なもの、学習者の認知システムにおこるものとみなす 学習されることは5つ
事物の特徴についての知識
e.g. サクラメントはカリフォルニアの州都である
e.g. 犬とは何かの知識
ステップ毎のプロセスについての知識
e.g. データをスプレッドシートに入力する方法
目標を達成するための知識を調整するための方法についての知識 e.g. どのようにして問題を下位問題に分けるかについての知識
自分自身についての知識
e.g. 「私は数学が苦手」という信念
マルチメディア学習の情報処理モデルを構築する3つの前提
人間が一度に1つのチャネルで処理できる情報量には制限がある
人間は、関連する入力情報に注意し、選択された情報を一貫した心的表象に体制化し、心的表象を他の知識に統合することによって、能動的な学習を行う その後の研究も含めてエビデンスに基づいた評価をしてMayer(2009)のモデルを修正(Mayer, 2014) https://gyazo.com/566d3a4d38b7a778a439a8c0219e48a1
情報処理の5つのステップ
2. 視覚的作業記憶における処理のために、関連するイメージ(絵)を選択する 無関係処理を少なくするための原理5つ
人間は、無関係な材料が含まれるときよりも無関係な材料がないときの方が効果的に学習する
この原理には3つのバージョンがある
興味深いが不適合な言葉と絵とが除かれると、学習は改善される
興味深いが不適合な音と音楽とが除かれると、学習は改善される
必要のない言葉と記号とが除かれると、学習は改善される
人間は、本質的な材料の体制化をハイライトする手がかりが加えられたときに、効率的に学習する
標識化には、言葉によるものと視覚的なものとがある
1パラグラフ1ハイライトが良い
標識化しすぎると注意を導くよりも混乱を招くだけに終わるの
人間は、図+ナレーション+印刷された言葉からよりも、図+ナレーションからの方が、効率的に学習する
つまり、冗長なキャプションが含まれると、余計な情報処理が必要になってしまう
人間(学生)は、ページやスクリーン上において、対応する言葉と絵とが遠くよりも近くに提示されたほうが、効率的に学習する
人間(学生)は、対応する言葉と絵とが、連続して提示されるより、同時に提示される方が効率的に学習する
必須の処理を管理するための原理3つ
人間は、主要な概念の名前と特徴を知っていると、マルチメディアの内容から、より深く学習する
人間は、絵と印刷された言葉よりも、絵と話された言葉から、より効率的に学習する
生成的な処理を促進するための原理7つ
人間は、言葉だけからよりも、言葉と絵とから、効率的に学習する
人間は、言葉が形式的なスタイルでよりも、会話のスタイルで、マルチメディアの提示がなされた方が効率的に学習する
意味内容自体はほとんど同じ
動画などで人物あるいはキャラクターを示すことは大切で、キャラクターの場合にはできるだけ人間の自然なジェスチャーをさせたほうが良い
学習者が自ら問題解決をして正解を発見する、あるいは目的を達成したり、満足な解決に至ることができうるように、上手にヒントやフィードバックを与えよ
受動的にコンテンツを理解するだけにとどまらず、他人に対して説明する
マルチメディア学習の原理は、3つの認知的処理の負荷によって分類されている
教授の目標に資さない処理
教授デザインを混乱させることによって引き起こされる
作業記憶内本質的な材料を表現するために必要とされる処理 材料が複雑なために引き起こされる
選択のステップで起こる
より深い理解のために必要とされる処理
Mayer(2009)とMayer(2014)の差分
無関係の5つと必須の3つの8つの原理は同じ
原理13以降は新しく追加されたもの
先行知識から、選択・体制化・統合の認知的処理のそれぞれに、動機づけとメタ認知とが働くというように組み入れた 3. マルチメディア学習をめぐって
従来からの授業という場面に限らず、教授学習の場面、そしてそもそも日常生活では、さまざまな道具が使われている マルチメディアが利用された、学習あるいは活動の場面だった
従来人間や生物を取り巻く環境は、物理的に多様な性質を持っており、さらに人間は言語や道具を持つことで、この多様な性質に拍車がかかった状態だった
特に、